

林元美「碁経衆妙」序 1
本因坊丈和の「訓戒」に次いで、取り上げるのは林元美(1778-1861)です。林元美は林家十一世。もともと本因坊丈和の師匠、十一世本因坊元丈のそのまた師である十世本因坊烈元の弟子なので、年齢からも格からも丈和の芸兄ですが、井上玄庵因碩が絡む「天保の内訌」という日本囲碁史上に...


碁の歴史 1
左は甘粛省にある史跡、楡林窟の壁に描かれた絵画の一枚です。 楡林窟は敦煌の莫高窟ほど知名度はありませんが、42の窟に250もの彩色壁画が描かれた重要な史跡で、その壁画の大半は仏画などの仏教関係のものですが、中に異彩を放っているのがこの作品です。...
本因坊丈和 訓戒 2
つづきです。 一見すると早打ちを勧めているように見えて、この点は誤解するとちょっとまずいところです。 古の名人たちの碁を例にとるまでもなく、少し上手な人の碁と下手な碁を比べてみると、前者では石の筋形が自然に無理なく整っていて、なかなか隙を見せないのが分かります。...


本因坊丈和 訓戒 1
「述而」で書いたように自分自身では何一つ教えるようなことを持ち合わせていないのですから、ここはやはり偉大な名人の書き残された教えを述べ伝えることにしたいと思います。 中国の名人にも王積薪の「十訣」を始めとして幾つか素晴らしい訓戒があるのですが、まずは本邦編ということにして手...
述而
「子曰、述而不作、信而好古.....」(論語巻第四述而第七の四) 囲碁入門や初心者の担当をさせて頂いていますが、自身の棋力も大したことがない者がいったい何をお教えすることができるのかと考えるわけです。そこで思い出したのが「論語」にある孔子のこの言葉です。...


鶴の巣ごもり
囲碁を趣味にする人なら「鶴の巣ごもり」と聞けばすぐに上の図が思い浮かぶでしょうが、邦楽に造詣のある人にとってはこの尺八の曲のことのようです。 尺八や胡弓のレパートリーとしては古典本曲と呼ばれるものの一曲で、作者不詳。伝承の過程でいくつかの同名異曲を生じながら様々な流派の代表...